Wednesday, January 1, 2014

"I am in beautiful moment."

2013年の夏、創刊当初から大好きでずっと信頼していたスケートボード誌、「Sb Skateboard Journal」において、いくつか自分のページをもらって作る事ができました。僕が写真を始めたのと同じ年に創刊されたこの雑誌は、自分にとって唯一のスケートボードの雑誌であり、同時にひとつの本でもありました。
その創刊当時、つまり僕が写真の専門学校に通っていたあの頃、自分の中の課題は、全くスケートボードに関心が無い人に、スケートボードのとある一瞬でいかにそれの魅力を伝えるか、という一点に集中していました。しかし残念ながら、在学中にそれを伝えることができたという実感はありません。ある授業の中で、ある先生はこう話しをしていました。「自分の作品は最低でも10年間は撮り続ける事。10年撮り続けてやっと、何かしらかたちにできるようになる」と。その先生は当時、それより随分前から原発反対の意思を写真と生の声で堂々と掲げ、写真集もいくつか出していた人でした。およそ10年前の東京(もしくは日本)で異質な存在感を放っていた先生のその言葉は、そのSbが完成した時、鮮明に僕の頭に蘇ってきました。
下の写真は今号のSbです。素敵なタイトルです。上記で書いた号はこちらのひとつ前の号になります。スケートボードの持つ魅力を、自分を通してこのSbという素晴らしい場を借りてかたちにさせてもらえたと思います。制作過程で苦しいながら素晴らしいアドバイスをくれた編集長の小澤さんに心から感謝です。がしかし、今号ではその真逆の大迷惑をかけてしまい、心底反省で幕を閉じた2013年。それにも関わらず優しい言葉をかけてくれた小澤さんに再度感謝の気持ちを込めつつ、、、今僕が担当する仕事全般に対して真っ直ぐ全力で向かい合う気持ちを、小澤さんとその先生、樋口健二氏の言葉をもとに改めて引き締めていきたいと思います。


写真下:ポートランドの街をニックとサムの3人で歩いて回っていた時の1枚。

I am in beautiful moment. - Portland Oregon, 2013